WEBディレクターに本をおすすめするならこの5冊。

2016年は本を読む時間が取れて、IT・WEBスキル系の良書にも出会えた。
自分と同じ20代WEBディレクター向けに、オススメだった書籍をメモっておく。

「IAシンキング Web制作者・担当者のためのIA思考術」 | 坂本貴史 著

IAシンキングの詳細
WEBディレクターに資格は必要なし&定量的に経験値を示すことが難しい職種ではあるけど、求められるスキルはいくつかに分類できるはず。
中でも画面設計やサイトマップなどのドキュメント作成は(作成すべきかなどそもそも論は置いておいて)WEBディレクターの主な役割の1つだと思う。

「IAシンキング」ではWEBサービス設計における大まかな行程や、その中でフロントデザインと戦略の中間にある「IA(情報設計)」というフェーズの重要性、思考術、設計ノウハウなどを学べる。 読んですぐに優れたページ設計図が書けるわけではないが、「こんな仮説があってあんな狙いでこう書きました」と説明できるようにはなりそう。

海外だと「僕はIAやってます」という人も一定数いるので、IAと言われる職種がどのようなことを求められるか、また、それを業務として切り分けた際に誰がやるべきかなどを把握するのに最適な一冊。
またかなり無骨な表紙なので「本棚に置いておいてもダサくない」というのもポイント高い(釣りタイトル&デザインがポップすぎる本を本棚に置いておくのは躊躇してしまう)。

「10年戦えるデータ分析入門 SQLを武器にデータ活用時代を生き抜く」 | 青木峰郎 著

10年戦えるデータ分析入門の詳細
新卒のころデータ分析もどきを行なっていた時には毎週「エンジニアの人にデータ抽出頼みにいくの面倒臭いなあ・・・」などと考えていた。
今思えばさっさとDB閲覧権もらってSQLを自分で回しておくだけなんだけど。

「10年戦える〜」はSQLに絞って基本&応用を網羅した、SQLの教科書的な本です。データ分析というよりもSQLという語学の教科書と思って読めば良いと思う。

SQLがわからなくてもエクセルが使えれば理解できる内容で、SQL構文をまんま先輩から教えてもらって改変しながら使ってきた人が、知識の穴埋めや正しい使い方を学習するのに最適。ツールの体系的な利用方法がわかっていると「ではこういう分析もできるのでは?」と思考の展開もできるので基本を学ぶのは早めが良い。
たとえばCOUNT関数でカラム指定と全体指定の場合で、結果にどのような変化が出るかなどが詳しく載っている(これは場合によってクリティカルなデータ差異につながる)。
PostgreSQLベースだけどまぁ他のRDBMS使ってる人でも問題無し。

「いちばんやさしいグロースハックの教本 人気講師が教える急成長マーケティング戦略」 | 金山裕樹、梶谷健人 著

いちばんやさしいグロースハックの教本の詳細
バズって久しい「グロースハック」という言葉や概念について、ファッションアプリiQONを運営するVASILY創業者の金山さんが懇切丁寧に教えてくれるガイドブック。

(海外書籍にありがちな)アカデミックで長たらしいところが無くて、「IQONはこうやってました」という実践的具体的なノウハウが易しい言葉で書かれてて読みやすい。

この本の一番のポイントは「AARRRモデル」から「ARRRAモデル」への展開か。
※AARRRはユーザー獲得から収益化までを5つの段階に分けてグロースハックを行うフレームワークで、”AARRR”は各段階の頭文字。

カスタマージャーニーマップ的に見ればAARRRは理解しやすいがいざ改善策を考えるとなると、どの段階から手をつけるべきか迷いがち。

ARRRAモデルでは、新規ユーザーがすぐ離脱/利用中止するような魅力の薄いサービスに、更にユーザーを注ぎ込む努力をしても効率が悪いから、まずはユーザー体験を高めよう、という考え方を採っている(ざっくりすぎてごめんなさい)。
この辺はサービス担当者が感覚的にはわかっていても、理解のない上司のため、もしくは目先の流入量増加のために避けてしまいがちな問題に対するヒントを与えてくれる。

後半が若干失速気味な点を除けば、マーケティングやプロデューサーなどサービス成長に責任を負う担当者であれば誰にでもお勧めできる内容で、リーン、アナリティクス、グロースハックなど(最近より少し前の)バズワードをうまく取り込んで説明してくれている。

「マネー・ボール」 | マイケル・ルイス著、中山宥訳

マネー・ボールの詳細
ブラッド・ピット主演で映画化もされた、野球のメジャーリーグが舞台になったノンフィクション。 1990年代末〜2000年代初め頃の話で、貧乏球団アスレチッックスのGMに就任したビリー・ビーンが、統計学(後にセイバーメトリクスと呼ばれるようになる)を武器にチームや球団の改革を行なっていくお話。

野球とWEBサービスとでは追うべき指標や環境、改善策も全くもって異なるが、客観的な統計データを元に改善策を実行していく「視点」と、旧態依然としたメジャーリーグ界にどうデータの有用性を理解させていくかという「姿勢」に非常に感銘を受けた。

野球というよりビジネスのドキュメンタリーなので、野球ルールの理解としては最低限、何をしたらアウト、どうしたら点が入る、3アウトでチェンジ、くらいがわかっていれば十分に楽しめる。

例えば野球では3アウトで攻守が交代になるため、1アウトの価値が非常に高い、よってそのリスクに見合わないバントや盗塁は避けるべき、という(現代から見ても)興味深い方針が実戦データと合わせていくつもうち出されている。
理解が乏しい集団の中で数字をベースにした主張を通す難しさも描いており、データの分析や企画職に関わる全ての人が読むべき傑作だと思う。
この本を原作にした映画もまた名作なので、ぜひ本を読んだ後に鑑賞してほしい。

「1駅1題 新TOEIC TEST文法特急」 | 花田徹也 著

1駅1題 新TOEIC TEST文法特急の詳細
ここ数年で、WEBディレクターやPM(プロジェクトでもプロダクトでも)のキャリアを積む上で東南アジア就職という選択肢が現実的になってきて、英語を勉強しなくちゃと口に出す人も増えている気がする。

僕は2015年にベトナム現地企業に転職するまでのTOEICは500-600点程度で、現在は800-850点くらいにはなったけど、まだまだ英語で仕事する上でハードルを感じることは多いと感じる。とはいえTOEICで出題される語彙は英語で外国人と仕事をする上で非常に有効なので、700点台後半〜800点台を目指す程度の勉強はしておいたほうがいいと思う。

読むだけなら半日で済むくらいの丁度良いボリュームだし、一方でノートを取りながら勉強しても実りが多いハンドブック。僕はこれでTOEICパート5に対する苦手感覚がなくなった。
問題に対する対処メソッドも明確で、特定のタイプの問題は条件反射的に片付けられなるし、また、接続詞、副詞、前置詞の使い分け・読み分けもできるようになった。



本は能動的な娯楽で時間も必要だけど、日々実践していることを言語化して整理できたり、モヤモヤ感じている疑問にふっと光をあててくれることがあるので、月1冊でも読書を習慣化していきたいな。

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