念願のヨーロッパのトレイルランの大会に出て思ったことと、その備忘録。

今年は夢だったヨーロッパのトレイルランニングの大会への出場が叶った。
日本のレースにすら出走したことない僕だったが、色々不安だった海外のトレイルランイベントということで、大会から4ヶ月も経過してしまった今更ながら、備忘録のためにも書き記しておこうと思う。

オーストリアのトレランの大会に出場した

僕が出場したのはPITZ ALPINE GLACIER TRAILという、オーストリア西部・ピッツタールで開かれたトレイルランの大会。アルプス山脈東部・チロルの東端にあり、2,000~3,000mの山々が連なる。マッターホルンやモンブランのような有名な山はないけれど、雰囲気的には日本の北アルプスに近い、数多くのハイキング・トレッキングルートが走っている地域。
レースに出場するにあたり走行距離を選択することができ、僕が選んだのは16km。

大会概要

  • 開催日: 03.-05. August 2018
  • 距離: P105(106km)、P85(90km)、P42-Glacier(44km)、P42-Rifflsee(43.9km)、P26(28.1km)、P15(16km)
  • 開催場所: Mandarfen(レースのスタート地点兼会場)
  • 獲得標高: 850m(16kmコースの場合)
  • 参加費用: 46.18 EUR(16kmコースの場合 ※諸費用、税込)
  • コースマップ

レース当日の様子

当日は快晴。レース中に大きなトラブルもなく、本場のアルプスの景色を楽しんで走る余裕もあり、約1,000人規模のレースながらイベント進行やエイドステーションの利用も快適そのもの。めちゃくちゃ楽しかった!

自分の参加した16kmコースのスタートはAM 09:15。近くに住む人以外は前乗りか車中泊ということになりそう。
周りを見渡すとみんな荷物を最小限まで切り詰めた、かなりガチガチなトレラン装備。
会場には小さなステージがあり2人のDJが常に選手や観客を盛り上げていた。爆音のBGMとともにレーススタートのカウントダウンも行われ、ど緊張していた僕も一気にテンション上がる。

周りは体格のよいヨーロッパのランナーばかりだったけど(リザルトをみてもアジア人はかなり少ない)、その中でも明らかに60代以上と思われるランナーも混じっていたり、真剣ながら老若男女に門戸が開かれた自由な雰囲気がある。

走り始めても大きく他から離されることもなく、次第に平常心を取り戻していった。
テクニカルな箇所、危険なポイントはほぼ全くなくて、日本の低山でトレーニングを積んでいれば問題なく対応できるレベルだと思う。
あと16kmというのは純粋に楽しめる距離感だったな、と今は感じる。

充実したエイドステーション

16kmのコースの場合、エイドポイントは約5km地点とゴールの二箇所。フルーツ、ハム、スナック、各種飲料水などが補給できる。
コーラをがぶ飲みしたのは素人感丸出しだった。

ゴール後の補給ポイント。さらに長距離コースのランナーはここからさらにレースが続く。

フードフェスが意外に楽しい

レースの前日と当日の20時まで、レース会場ではフードフェスティバルが開かれていて、5~10ユーロのリーズナブルな価格で色々と飲み食いできる。ビールが一杯確か3ユーロとか、その程度。

その他会場にはSalomonとかがポップアップショップを出店していたり、賑やかな感じがまた楽しかった。

あと普段は山上までのロープウェイが運行しているような場所なので、しっかり綺麗な公衆トイレもあって、当日朝腹痛に襲われた僕はとても助かった。リゾート地だけど近くには普通のスーパーとかもある。

また、当日の写真は公式Facebookから確認できる。

天候は日本の北アルプスと大差ない(ただし夏なら)

スタート地点のMandarfenは標高1,670m。そこから2,300mまで駆け抜けたわけだけど、Tシャツ+ウインドシェル(Teton Bros.のWind River Hoody)で走りきることができた。

当日の天気にもよるが、最高地点2,300mでも気温が下がりすぎることはなかったし、タンクトップ一枚のランナーも多かった。
ただしより長距離のレースになると、スタート時間が夜明け前にもなるので、その際はもう少しシビアに検討する必要があるだろう。

最初の海外登山でトレイルランニングのイベントに出る、と言う選択肢

山登りが好きな人なら一度は海外での登山に憧れることはあると思うが、言語、文化、諸々の自然現象が異なる土地での登山計画は不安が尽きない。僕もドイツに住み始めて2年近いけど、まだまだ日本の時のように気軽に山に歩きに行こう、という感じにはならない(そもそもデュッセルドルフとその周辺に山がない、ということが大きいけど)。

特に気候の予測、防寒、エスケープルートの計画、緊急時の想定などは重要なので、母国語、少なくとも英語で情報を仕入れられない不安とストレスが大きかった。

その点このような大型のイベントでは、多くの不確定要素がクリアになる、という意味で非常に発見があった。
僕としては、初の海外登山を考えている人にこそ、Pitztalのような大型のトレイルランニングイベントに出ることを勧めたい。

現地のマップや周辺情報が事前に手に入り、当日は1,000人近い”同志”が同じ道を走っていて、コース分岐にはパネルや仕切りロープも引かれていて、カメラマンや補給ポイント含めいたるところに人の手が行き届いている。滑落などをしない限りは遭難する心配もほとんどない。

日本では「山と高原地図」という地図とナビを兼用できる素晴らしいスマートフォンアプリがあるけど、やっぱり自力で情報収集をするのって非常に大変。

レースに参加することでその大部分の煩わしさが解消され、景色を眺めて、歩くor走ること自体を楽しめるだけでも、参加費だけの価値はあったと思う。

なお、不慮の事故の場合を想定した専用のスマートフォンアプリもあって、送られてくる自分のコードを登録すると、自分の居場所がわかるそうだ。また、配られるリストテープにはチップが内蔵されていて、自動でスタートとゴールの時刻が計測されるようになっている。

レースのブリーフィング

前日夕方と当日朝の2回、レースブリーフィングが開かれる。どちらに参加してもいいし、参加しなくてもいい。
スクリーンにスライドを映しつつ、英語とドイツ語で交互に話してくれる。コース案内が実際にどうなっているかなど確認できて安心できた。

レースに必須の持ち物

現地会場で出場登録をする際に、所持品がチェックがされる。
事前にメールにてチェックリストは渡されるので、それ通りに持っていけば問題ない。

16kmコースの場合の持ち物リストは下記。

  • 携帯電話(充電済み、電話可能なもの)
  • トレイルランニングシューズ
  • 機能性ランニングウェア
  • ドリンクカップ
  • 身分証明証&保険証
  • ルートマップ

保険証はただの保険証ではなくて、山岳保険などの加入証明が求められた。ただし未保険の場合もその場でも入会できる。
僕も現地で加入して、確か15ユーロくらいだった気がする。

リザルト

人生初めてのトレイルランニングのレース、結果はといえば、
2時間58分22秒で、91人中73位。

うーん、もう少し頑張れたという気もする。特に後半の下りでだいぶ差をつけられたな、といった感じ。
自分は割とブレーキをかけながら斜面を降っていたけど、みんな飛ばす飛ばす。

しかも残り4kmのところで人生初めて両足がつるという経験。確実なトレーニング不足。少し歩いて徐々に小走りにしたらなんとか回復した。

逆に、レース序盤の登りでは負けていない、というかかなり渋滞で、他選手を抜かせる感じの幅でもなく、むずむずしながら30分くらい登った記憶がある。

レース以外の準備やもろもろ

現地までのアクセス

僕の住むドイツから、オーストリアのImstという駅まで電車を乗り継ぎ、そこから会場のあるPitztalまではバスを利用した。
この辺り、実は全部Google Mapの言う通りに行ってみたけど、非常にスムーズだった。

宿泊ホテル

レースの前日に、会場まで徒歩10分のホテルを予約していた。
出走登録を前日に済ませておきたかったので気軽に往復できる距離にしておきたかったというのがある。現地ではシャトルバスなども走っているので、来年はもっと安い遠くのホテルでもよいかな、と思っている。

メールで不安な点を問い合わせ

人生で初めてのトレイルラン、かつドイツ語が公用語のオーストリアということもあり、不備があってはかなわないと思い、持ち物や必要な手続きなどについて事前にメールで事務局に問い合わせをしていた。英語で書いたメールでも割とすぐに丁寧な返信をよこしてくれたので、不安な人にはおすすめしたい。

ちなみにレースに先立ってメールで送られてくる情報は、ほとんどドイツ語と英語の併記だったので、そこも助かった。

PITZ ALPINE GLACIER TRAILに対する満足度は非常に高く、オーストリアの山もとても好きになった。来年はぜひリベンジしたい。

PITZ ALPINE GLACIER TRAIL 2019

02.-04. AUGUST 2019

https://www.pitz-alpine.at/de/pitz-alpine-glacier-trail/

Written by Ryo Konishi