ドイツの東側、チェコとの国境にほど近い街ドレスデンに旅をしてきた。

現在はザクセン州の州都であるこの街は、旧東ドイツに属していたこともあり、訪れる前はベルリンなどにも似て東ヨーロッパの空気が色濃い街なんだろうな、と想像していた。

特に最近、旧共産圏の国々への旅の欲求が再燃してきていて、チェコやその先まで行く余裕はないけれどドイツ国内なら、ということで祝日に有給をくっつけてやってきた。

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街を歩き始めると、抱いていた先入観の半分は間違っていたことに気がつく。

トラムなどの公共交通機関は清潔で、ショッピングスポットにも事欠かないし、道も寂しい感じはあんまりない。こじんまりとしつつも現代と近代が交わった味わい深い都市。

ちなみに今回の旅はsony a7iiとTamronレンズ 28-75mmの試し撮り。このレンズは広角が28mm始まりだけど、最近の僕が標準画角でパースを少なくして写真を撮りたいモードなので、35mm以下はほとんど使わなかった。
記事の写真は全てこの一式で撮影(Lightroom+VSCOで現像済み)。

観光の中心地は旧市街。

世界各国からの団体客が行き交う石畳がフラウエン(聖母)教会やドレスデン城をつなぐ。後述の美術館含めて見所が近場にまとまっていて観光客にはやさしいつくり。

古都の名にふさわしい、古めかしい建物の隙間からバロックの教会が見えたりするこの感じ、あまりドイツの西側の街にはなくて、旅してるんだなと実感する

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今回の旅ではほとんど曇り空しか見えなかったけど、重厚で年輪を感じさせる建物は自然とそんな天気にマッチしていた。

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本日のハイライト。アルテ・マイスター絵画館。旧市街の中心地に位置しているけれど、混雑や行列などはなく、快適に鑑賞できた。

コレクションはレンブラント、ルーベンス、ラファエロなどなど錚々たる顔ぶれで、世界で数十点しか作品が残っていないフェルメールも所蔵されている。ドイツの東側にこれだけの質と量の古典絵画が見られる美術館があるなんて感激。

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街の移動はトラムかバス。地下鉄は走っていないが、いつも海外の地下鉄の出口と乗り換えで迷ってしまう僕にはシンプルで馴染みやすい。

路線も郊外まで張り巡らされていて大変助かる。次の日の朝4時まで使える一日券が6ユーロ。チケット2枚購入するのと40セントしか変わらないので、迷ったらこちらを買えば間違いない。

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ドレスデンを二つに分けるエルベ川の北側にある新市街へ。ストリートテイストなウォールアートや若者向けのセレクトショップなどが軒を連ねる刺激的な一画。この辺りはアートな街ベルリンと少し雰囲気が似ているかな。

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今回ドレスデンを旅したのはサマータイムも終わった11月の初旬。陽が暮れるのがとても早くて寂しいきもちになる。街ゆく人々も冬の装い。

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そういえば、ドレスデンはクリスマスマーケットが有名だったんだ。ドイツに住むと、周りがみんなクリスマスマーケットを楽しみにしていて面白い。

ドレスデン市内でいくつか見かけたガソリンスタンド。デュッセルドルフなど他の街では見たことがない、円形のユニークな屋根の形が印象的で、手ブレしないように苦労した。

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終始分厚い雲に覆われた、木枯らしの吹く二日目。昨日街を歩き回った疲れから、朝はのんびりホテルで過ごしてお昼時にチェックアウト。

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バスの一日券を購入し、ピルニッツ宮殿に向かう。宮殿自体にさほど強い興味はないのだけど、植物園が気になった。

話は逸れるが、ここ数年のGoogle Mapの進化は凄まじい。ローカルバスの時刻表や乗り場まで検索できてしかも正確、ほんの昔に海外旅行で感じていた移動のストレスが皆無になると同時に、ローカルの人々との会話もなくなっているのはどう捉えるべきだろう。

植物園は実際に行ってみるとビニールハウスといった感じだったけど、それ以外にも近現代アートの企画展もやっていたりして、何かと楽しめた。

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名前を調べるのを忘れてしまった、トサカのように紫とオレンジの花が一緒に咲く植物。

さて旅も終わりに近い。

外食するにしてもデュッセルドルフに比べて安いのは嬉しいところだが、食べ物の写真が全然ない。
ちょうどチキンナゲットが12個4ユーロという破格のキャンペーン中だったマクドナルドをうらみたい。

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夜風も冷たいので、そろそろ切り上げてHbf(中央駅)に戻ってくる。ここからプラハやベルリン、フランクフルトなどヨーロッパの各都市に路線が延びている。長距離バスも駅の目の前からの発着で、色々とアクセスはいい。

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ドレスデンはコンパクトなので移動にほとんど時間はかからず、郊外まで足を延ばしたとしても一泊二日でちょうど良いのかなと感じている。

街の中心地を離れると起伏があって、エルベ川の北側には小高い山々なんかも見えて、山登りが好きな僕にとっては、もう少し暖かければハイキングも楽しそう。

今回は訪れなかったが、ザクセンのスイスと呼ばれる奇岩のトレッキングエリアもあるので、次は初夏にでも再訪したい。

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